冷却水漏れ修理 – メルセデス・ベンツCLS63(X218)
メルセデス・ベンツツCLSクラスがご入庫です。
冷却水漏れが発生していたため、その修理を行ってまいります。
まず各部を調査したところ、ウォーターポンプ自体やその付近に多く使われている樹脂系パーツからの漏れが確認できました。
この車は比較的新しい車両なんですが、もう寿命ですね。
他の欧州車でも樹脂系パーツの痛みが早いものもありますし、欧州車全般にこの傾向がありそうです。
パーツ交換、修理作業は順調に進みましたが、タービン周りのウォーターライン交換だけは、左バンク側フレームとのクリアランスが狭いんですよね。
通常、タービンを脱着したほうが楽なんですが、一工夫する事で、タービンを脱着せずに交換することができました。
修理、交換後、再び水漏れが発生しないか試運転を行います。
1回目、2回目とも異常が見られませんでしたが、3回目の試運転で別の箇所からの水漏れが確認できました。
今度はエンジン後方。
やはり樹脂系パーツです。
調べたところ、左バンク後方にあるシャットオフバルブといわれる部品からでした。
写真右が外したものです。
2分割のように見えますが、もともとこの二つは接着された状態なんですよね。
それが剥がれてしまい、漏れの要因となっていました。
左側バルブは対策品です。
ここから漏れてくると、エンジンVバンク中央にクーラントの大きな池ができ、後方より外に漏れてきます。
こちらはシャットオフバルブに繋がるヒーターホース。
こちらにも樹脂が使われているのですが、ご覧の通り劣化で変色しており、いつ折れても不思議ではない状態です。
上側のホースがその対策品となります。
こちらは他のホースと違い、水路の流量をを絞ってでも細くし、エンジン後方のクリアランスを確保しようとする意図が垣間見えますね。
作業のほうは無事完了しました。
冷却水漏れもこれで心配はないでしょう。